
4月27日〜29日、東京文化会館をメイン会場として開催された〈上野の森バレエホリデイ2019〉は、大盛況のうちに幕を閉じました。東京バレエ団は連日、ブルメイステル版『白鳥の湖』、はじめての『白鳥の湖』の2演目を上演しましたが、ダンサーたちはこのほかにも、「公開レッスン」をはじめさまざまなイベントに出演、通常の舞台ではなかなかお見せできない普段着の姿で、みなさんとの楽しいひと時を過ごしました。今回は、そのなかからいくつかの場面をピックアップしてご紹介します!
大人気の恒例企画! ダンス&クリエーション
今回、3回目の開催を迎えた〈上野の森バレエホリデイ〉。初回から人気のイベント、屋外特設ステージでの「ダンス&クリエーション」は今年も大人気、 大勢のお客さんに囲まれてのパフォーマンスが展開されました。今回は東京シティ・バレエ団の皆さんが初参加、同団の草間華奈さんによる振付作品(「Co dependent」)を上演しました。「切ってもきれない縁、ということをテーマに創らせていただいた作品です」と話す草間さんに、司会の木村和夫は「数少ない女性振付家、これからも頑張ってください」とエールを送っていました。
ブラウリオ・アルバレス振付の2作品(『Ants(蟻)』『She's a Rebel』)は、東京バレエ学校の生徒たちが上演。今年2月にウィーンで開催されたコンクール、ヨーロピアン・バレエ・グランプリで上演し、それぞれ3位に入賞した作品です。「『Ants』は子どもたちの可愛らしさ、エネルギーを作品で表現。少し年上の子どもたちに振付けた『She's a Rebel』は、楽しい雰囲気で皆に自由に踊ってもらいたかった」(アルバレス)。
木村和夫の『ハミング・バード』は、このステージでの定番作品ですが、今年はまたフレッシュなキャストでの上演が実現しました。最後に登場した『fainting』は岡崎隼也の新作。「この空間に合ったものを」(岡崎)と創作した小品は、樋口祐輝、鳥海創、後藤健太朗、昂師吏功の4人が登場、エネルギッシュな姿を印象付けました。
「白鳥」をテーマに
上野水香と小野絢子さんがスペシャル・トーク!
小ホールでは「ホリデイ・バレエ・アカデミー」として、連日、レクチャーからトーク、お芝居までさまざまなプログラムが組まれていました。29日午後の「スペシャル・トーク!~プリマ・バレリーナが語る『白鳥の湖』~」にはプリンシパルの上野水香が登場、新国立劇場の小野絢子さんを迎えての、カンパニーの枠を超えたワクワク感あふれる対談が実現しました。
小野さんは、昨年11月に上野がプロデュースし自らも出演した公演〈Jewels from MIZUKA II〉に福岡雄大さん(同じく新国立劇場プリンシパル)とともに出演、「素晴らしかった!」と上野が大絶賛するバレリーナです。その小野さんは、このトークの直前に上野が主演した「はじめての『白鳥の湖』」を観て「まだ興奮気味です」と上野の演技の余韻に浸っているよう。そんななかでスタートしたトークのテーマは、ずばり、『白鳥の湖』! プロになって間もない頃の話題から現在の役柄への取り組み方まで、バレエ・ファンにとって実に興味深いトークが次から次へと飛び出します。
たとえば、「『白鳥の湖』でこれまで踊った役柄」について──。「白鳥のコール・ドからなんと小四羽(小さい白鳥)も! それから大四羽(大きい白鳥)、各国の姫やスペイン、ワルツも踊っています」と話す上野。小さい白鳥を踊ったときは、「一緒に踊ったのは私より小柄な方ばかり! 私は右から二番目で踊っていたのだけど、両側の方々のチュチュを私のチュチュの上に乗せて(笑)」と、なんとか工夫をしてやり遂げたエピソードを紹介。これを受け、「私の場合はそういった苦労はなかったけれど(笑)、最初に踊ったとき他の三人は全員先輩でしたから、引っ張られるようにして踊っていました」と当時を振り返る小野さん。
さらにオデット/オディールの踊り、演技についてもさまざまなこぼれ話が。印象的だったのは、第2幕の登場場面での最初のアラベスクについて。「あれ、緊張しません?」と上野が小野さんに意見を求めると、「すごい恐怖ですね。やりたくないです(笑)」とプリマだからこその大共感!
ほかにも、「オデットとオディールはどう演じ分けるか?」「メイクは変えるか、そのままか?」「トウシューズはどれくらい持っていくか」など、プリマならではの共通の話題に会場は大いに盛り上がりました。
秋元康臣が池田武志さんと
"男のバレエ"でヒートアップ!?
その後に開催されたトーク・イベントに登場したのは、秋元康臣と、スターダンサーズ・バレエ団の池田武志さん。「"男のバレエ"の秘密」というタイトルで、男性ダンサーならではの裏話、その魅力と秘密に迫ります。
5、6年前に仕事で一緒になったことがあるものの、「それ以来会ったことはなくて。一度、品川で新幹線に乗ろうとしているところでばったり会ったんですよね。だからとくに友達同士っていうわけじゃないんですけど(笑)」と会場をわかす二人。
まずは、バレエをはじめた子どもの頃のことが話題に──。母のすすめで3歳で教室に通い始めたという秋元は、「男の子は僕だけ。すごく抵抗があり、泣いて嫌がったりもしましたが、できなかったことができるようになると、どんどん楽しくなっていきましたね」。池田さんは、「僕は10歳のときでした。ほかにも男の子がいたのですが、絶賛反抗期中で(笑)、『バレエやだよなー』とか言いながらで、ギアが入るまで数年かかりましたが、彼らがいたからこそバレエを続けられた」と懐かしそうな笑顔。
留学経験があることも、二人の共通点です。秋元はボリショイ・バレエ学校でロシア語がわからず苦労した話や、男子ばかりのクラスで刺激を受けたエピソードを紹介。ローザンヌ国際バレエコンクールに入賞後、ハンブルク・バレエ学校に留学した池田さんも、語学の勉強について「バレエをやるなら理解しないとどうしようもないという焦りがあり、普通に勉強するよりずっと吸収は早かったと思います」と発言。ダンサー一人ひとりのキャラクターを重視するジョン・ノイマイヤーの学校で学ぶことで、「それまで自信を持てずにやってきたけれど、自分はこういうダンサーだったんだと初めて認識できた」とも。
終盤には、客席のお客さんも一緒にレヴェランス実演コーナーも! 「普通にやりますよ」と、美しいレヴェランスを披露した秋山に対抗し、「じゃ、僕はいちばんテンション高いやつを」と、両腕を広げるスペシャルなレヴェランスを見せて会場をわかせた池田さん。客席の男性の皆さんも、二人を見本にエレガントなレヴェランスに挑戦していました!
次回は、最終日に行われた「Ballet Dancer☆ Fun Fan Event ! ~バレエダンサー☆ ファンイベント!~」の模様をお届けします。どうぞお楽しみに。