
新制作『くるみ割り人形』の舞台では、団員たちが日替わりでさまざまなキャラクターを演じます。今回は、3日目の公演で第2幕の中国を踊る、中川美雪と海田一成の登場です!
──二人とも、今年も大活躍でしたね!
中川美雪 今年は4月の〈NHKバレエの饗宴〉、8月のミラノ・スカラ座、10月には東京公演、と『セレナーデ』(バランシン振付)をたくさん、踊らせていただきました。バランシン作品が大好きで、(斎藤)友佳理先生のすすめでトライアウトを受けて踊らせてもらうことになったのが昨年のことで、でも、(上野)水香さんと、(川島)麻実子さんと、それとわたしっ(笑)!?というわけなので、すごく緊張しました。テクニックも体力も必要な作品なのですが、私の中でいちばん大きな役になりました。
海田一成 バランシン作品は、「全部音にはまっている」という印象です。
中川 そう、はまっています! (振付指導の)ベン(・ヒューズ)先生にも、音を外すと「もう一度!」と。かなり細かく指導をしていただきましたね。海田くんは今年は──。
海田 『春の祭典』の二人の若者を初めて踊りました。最初がミラノ・スカラ座でしたが、海外で初役というのは緊張しました。
中川 大丈夫! 何があっても飛行機に乗れば忘れられる(笑)!
海田 (笑)。それから、子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』のサンチョ・パンサも初挑戦でした。セリフがある役なので、ちょっと怖かったのですが......。アドリブなんて言えないし、客席に降りるのも緊張するし、でも、喋ることから学べる部分があれば、と思っています。昨年がいろんな役をやらせていただいた年だったので、今年は充電の年かな、などと思っていたのですが、意外といろいろやらせていただきました。
中川 私はもうひとつ! ブラウリオ(・アルバレス)の『夜叉』がとても印象深い役柄の一つに。これまで可愛らしい役柄を踊ることが多かったのですが、急にすごく妖艶な女性を演じて、自分の新しい一面を発見した一年でもありました。
──その一年の締めくくりとなるのが、新制作の『くるみ割り人形』。二人は中国で一緒に登場します。
中川 『春の祭典』でも一緒だったよね。
海田 あと1回だけ、入団1年目のことでしたが、前の『くるみ割り人形』の花のワルツで組んだことがあるんです。キャスティングの変更の関係で、地方公演でイレギュラーに1回だけ組んだのですが、練習が1、2回しかできなくて、「大丈夫、大丈夫!」と励まされて──。
中川 「レッツ・ゴー!」という感じだったと思うのですが、実はあまり覚えていなくて(笑)。『くるみ割り人形』の女性陣は本当にあれこれと踊って、気づくとカーテンコールだったもので(笑)。中国は前回もその前も踊らせていただいて、振りもほぼ変更がないし、大好きな踊りなので、少し余裕をもってできたらなと思っています。
海田 二人一緒に出てきますが、どちらかというと「個人技」、かな。
中川 いつも「私のほうが絶対に高く跳ぶ!」って思ってやっています(笑)。男性にはどうしたって負けてしまいますが。
海田 連続して跳んで合わせて、というのはなかなか難しいんです。ジャンプして着地のタイミングで目を合わせる、ということになっているんだけれど、必死すぎて......。
中川 ああー、目が合わないなあ、合わないなあって(笑)。私、見ているのに彼は逆のほうに顔むけているんですよ。そうじゃなくて、息の揃った仲良し二人組を見ていただきたいですね!

──ほかにも日替わりで踊る役があります。
中川 私はフランスとコロンビーヌ!
海田 僕はムーア人です。ずっと腕を上げたままキープ、です。
中川 今度の『くるみ』では、人形たちはマーシャを導いていく存在なんですよね。船にも乗るし──。
海田 びゅーん!って進むらしいんですが。
中川 まだセットを見れていないので、全く想像がつかないです。そのあと、第2幕のディヴェルティスマンもマーシャたちと一緒に観せてもらうんですよね。だからずっと舞台の上にいる。
海田 まったくの新しい舞台なので、まだどんな舞台になるのかわからないんですよね。(斎藤)友佳理さんの頭の中にはあるようなんですが、僕らはまだ十分にイメージできていなくて。
中川 ツリーの中の世界を登っていくんですよね。今日はじめてリハーサルを見たんですが、マーシャたちを見送る雪の精たちの最後のポーズなんて、すごくきれいですよね。
海田 スノードームのようでした。
中川 友佳理さんのこだわり、思いがいっぱいつまった舞台なので、私たちも必死でついていっています!
海田 東京バレエ団ならではの、ここでしか観ることのできない『くるみ割り人形』になると思うんです。
中川 本当に今年はたくさんのご縁があって充実した一年になりましたが、来年は、もうワンステップ上をめざしたい。足りないところを手当たり次第なくしていきたいです。
海田 日々、やることは変わらないと思っていはいるのですが、レッスンをして、少しずつ直すべきところを直して、役をもらったら一つずつ学んでいって──。来年もがんばります!
