
今年最初のバレエ団の公演となる〈Choreographic Project(コレオグラフィック・プロジェクト)〉スタジオ・パフォーマンス。本番まであとわずかとなりました。今回は、入団1年目にして振付作品を発表する安井悠馬が登場、東京バレエ団の舞台、創作への思いなどを語ります。
──東京バレエ団に入る前は、海外で活動していましたね。
安井悠馬 ユース・アメリカ・グランプリで入賞したのをきっかけにオーストラリア・バレエ学校に留学、その後、アメリカのサウスカロライナのカンパニーに2年間在籍したのち、オーストラリアのメルボルン・シティ・バレエで踊っていました。ツアーが多いカンパニーでしたが、オーストラリアは国内といってもとにかく広く、日帰りの公演もあるいっぽうで、何もないところに敷かれた道をひたすらバスで行くことも──。あるのはただ「大地」(笑)。目的地が遠すぎて途中で一泊、ということもありました。なかなかにローカルで地道な活動をしていました。
もちろん、季節は日本と真逆。クリスマスも暑い時期ですね。『くるみ割り人形』もやります。普通に雪の場面もありますが、劇場を出るとみんな半袖にサングラスです(笑)。
その後、将来的に日本でキャリアを積んで、活動していきたいと考えるようになって、東京バレエ団のオーディションを受けました。海外の人にも通用する、大きなカンパニーで踊りたい、という思いもありました。
──東京バレエ団の印象は?
安井 伝統あるカンパニー、というイメージです。初舞台は6月の海外ツアー、ポーランドでの『ザ・カブキ』で、その後『春の祭典』も踊りました。最初からいきなりベジャール作品でしたから、その素晴らしさはわかっていても、戸惑うこともありました。が、10月の公演のための稽古で、『春の祭典』のリハーサルを正面から見る機会があり、そこで「ベジャールさんはやはり天才なんだ!」と実感することに。ベジャール作品は、これからどんどん踊っていきたいです。
──今月は、〈Choreographic Project〉のスタジオ・パフォーマンスで作品を発表します。
安井 作品創りが好きなんです。1作目は確か15歳くらいの時でしたが、関西のコンクールに出品するために創作しました。僕の先生が出品するところを、「出たいです! 1曲創りたいです!」と申し出て、自分のソロのパートのみ、自分で振付けたのが最初でした。その作品が意外にも好評で、皆に褒めてもらったのが気持ちよく(笑)、作品を創るのが好きになっていったというわけです。オーストラリア時代には、コンクールに出るために自分が踊る作品を創ったこともありました。カンパニー・ディレクターに「それ、才能だよ!」と褒めてもらったのも、ますます振付が好きになるきっかけになりました。
──ソロの自作を踊るんですね。
安井 日程的な問題で、他のダンサーたちに振付けることができなかったのはちょっと残念でした。またいずれ、と考えています。
今回作品にする世界観は──、ちょっとダークな部分もあるんです。入団したての僕は、「もっと踊らせてもらえるようにならなければ!」と焦るばかりで、まだ活躍できない悔しさとかドロドロした思いを抱いていました。それを少し、表に出してみようかなと思っていて、それを、僕がいま「カッコイイ」と思っているもので色づけしていこうと考えています。これまでの〈Choreographic Project〉の作品ともまた違った、もしかしたら異色の作品になるかもしれませんが、みなさんに「カッコイイな」と思ってもらえるような作品にしたいな、と思っています。
──では、今年の抱負を。
安井 いま一度、自分自身をしっかり見直しながら、自分に厳しく、僕なりの個性を出して、強く、攻めていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします!