
新型コロナウイルスの影響で残念ながら中止となった〈上野の森バレエホリデイ2020〉にかわって、オンライン上で楽しめるイベント〈バレエホリデイ@home〉が開催されます。ここでは過去の秘蔵映像をはじめとするさまざまなコンテンツが登場、そこでは東京バレエ団のダンサーたちがいろんな形で参加することに! いつも積極的に創作活動に取り組んでいるブラウリオ・アルバレスも、このイベントのためにいろいろと準備を進めていました。今回は自宅作業中の担当者が、オンラインでインタビュー!
──こんにちは。バレエ団がお休みになって半月が過ぎましたが、毎日どんなふうに過ごしていますか。
ブラウリオ・アルバレス こんにちは! 元気です。毎日、朝起きて、ご飯を食べて、ストレッチをして、インターネットで見られるいろんなレッスンの動画を見て家でレッスンして......。
──家でレッスンしているんですね。
アルバレス テーブルとか椅子とか全部、端に寄せてスペースを作ってから(笑)。それから筋トレもします。だから、いつもバレエ団で踊っている時より筋肉がついているかも! そしてお散歩。テイクアウトのために営業している知人のコーヒーのお店があるので、そこでコーヒーを飲んで、家に帰って、という生活です。ご飯もしっかり食べています。朝はオートミールと卵、昼は味噌汁とご飯とあと一品。夜はサラダと肉か、パスタ。あと、おせんべいが好きだからよく食べています。"ワレセンベイ"です。
──お得用?
アルバレス そうです(笑)! スーパーによっては味が薄いのがあるけれど、僕は醤油味が好き。
──ゆっくりとした生活を楽しんでいますね。
アルバレス 気分いいです! でも、長く続くと辛くなってくるかもしれません。ちゃんと身体を動かしていないと、頭が痛くなりますね。家の中でもできることをしっかりしていくことはとても大事。パフォーマンスをするということも、僕たちにとってとても大切なことだと思いました。
──パフォーマンスといえば、以前〈Choreographic Project〉で発表した作品が、今度の〈バレエホリデイ@home〉で配信されることになりました。
アルバレス とても嬉しい! でも、まず一つ、皆さんにわかってもらいたいのは、ライヴで観るのと映像で見るのとでは、全く違うということです。実際の舞台では、ダンサーたちはどこをどう揃えて踊るかということをメインにしているのではなく、その時その時でいろんな気持ちを大切にして踊っています。映像ではそれは伝わりにくいもの。映像でわかるのは、その時どんなことをしたかということ。だからぜひ、次は本当の舞台を観にきてもらえたら!
──そうですね。今回配信される2作品は、ともに2年前の〈Choreographic Project〉で発表した作品です。
アルバレス 一つは、『アダージエット』。懐かしいです! この作品のインスピレーションは音楽でした(マーラー交響曲第5番第4楽章)。初演した時に踊ってくれたダンサーたちとは今も仲良くしているけれど、いつも近くで一緒に、リハーサルのたびにいろいろと変えながら、時間をかけて創ったのがとても懐かしい。当時の映像を見るのはとても面白いと思います。
もう一つは、『ドアが閉まります』! これも懐かしいです! この時の映像を見ると、これは、この時の、この人たちでなければ成立しないものだったなって思います。
──今年の〈Choreographic Project〉では、これに続く「外国人が見た日本」シリーズ第2弾として『いい湯だな』を発表して、爆笑を巻き起こしたんですよね。
アルバレス 楽しかったです。今年の〈Choreographic Project〉では、もう一つ、『I remember』という作品を発表しました。僕は今年、やっと、僕が振付で伝えたいことが、ちょっと、見つかってきた気がしました。この作品は、少し重かったかもしれないけれど、見る人を考えさせることができる作品ができたんじゃないかなと思います。いろんな人から、「考えさせられた」と言ってもらえて、それがとても嬉しかった。作品を創って、「こういうふうに考えてください」という一つの正解があるわけではなくて、皆さんがそれぞれ、その時に感じることこそ正解なのかなって思います。
──〈バレエホリデイ@home〉では、もう一つ、取り組んだことがあります。
アルバレス そう! 1分くらいの短い映像だけれど、子ども向けの踊りを振付けたんです。
──お家でできるダンス?
アルバレス 1メートル四方のスペースがあればできるダンス。
──それなら家でできそう! どんな内容か少しだけ教えてください。
アルバレス 動物。おサルとかネコとか、いろんな動物のダンスです。子ども向けだけど、家族全員で楽しんで身体を動かすダンスだから、ぜひ、みんなで踊ってみてください!
──家にいる時間が長くなって、創作につながるようなアイデアがいろいろ見つかるかも?
アルバレス それが、オンラインでいろいろやろうとすると慣れていないから結構大変で(笑)。でも、本は読んでいます。
──この前、『マキオカ・シスターズ』を読んでいると聞きました。(注 谷崎潤一郎『細雪』のこと!)
アルバレス それは読み終わりました。とても素敵でした。いまは夏目漱石の『坊ちゃん』を読んでいて、『吾輩は猫である』も! あと、三島由紀夫の『仮面の告白』と『近代能楽集』もこれから読むつもり。
──皆さんにはおうちで〈バレエホリデイ@home〉を楽しんでいただきたいですね。
アルバレス バレエは自分の生活の一部です。皆さんも、いろんな映像を見て、バレエを日々の生活の一部にしてくれたら嬉しいです。