
緊急事態宣言が解除されて、お休みが続いていたバレエ団も本格的な再開に向けて動き出しています。団員たちも皆でリハーサルできる日を今か今かと待ち望み、鋭意準備中! 今回登場の政本絵美も、いろいろと工夫しながら自宅でトレーニングを重ねていました。政本は4月25日から29日にオンラインで開催された〈バレエホリデイ@home〉の配信プログラムでも大活躍! 動画の撮影裏話や自宅での過ごし方など、自宅にいる彼女にオンラインで聞きました。
──〈バレエホリデイ@home〉3つの配信プログラムに出演して大評判でしたが、まずは「ヘアアレンジー夜会巻きに挑戦!」。夜会巻きの手順をとてもわかりやすくアドバイスして、参考になりました。
政本絵美 撮影中はいろいろありました(笑)!
──夜会巻きといえば下から巻き上げるやり方が一般的かと思っていました。配信プログラムで実演したのは、上から巻いていくやり方。
政本 『セレナーデ』(バランシン振付、2018年東京バレエ団初演)を踊った時、バランシン作品では女性は夜会巻きをすることが多いと聞いて、メイクさんにあの方法を教えてもらったのです。
でも実はその前にも、『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』(フォーサイス振付、2015年東京バレエ団初演)の時に、留衣さん(2019年3月に退団した吉川留衣)に教わっていたんです。が、留衣さんはとても器用だから簡単にできてしまうけれど、ちょっと難しくて......。
──政本さんもアクセサリー作りが得意で、とても器用!
政本 器用さの種類が違うんです。留衣さんはなんでもできる(笑)!
──で、その後練習したといわけですね。
政本 上から巻くと絶壁が目立たなくなって、頭の形がキレイに出るんです。「ねじる手順」をマスターすると上手にできるようになります。練習して慣れてくると、ドアノブを回す感覚に! でも、あの動画で皆さん理解できたかな......。
──大丈夫です!
政本 欧米人と違ってサラサラの日本人の髪は解けやすく、踊っているうちに崩れてしまう。だから、サラサラになるようなトリートメントは避けてやってみるといいかも。ぜひ挑戦してみてください。
──持ち前の手先の器用さを活かしたプログラム、「ハンドメイドーヘアバンド作りに挑戦!」でも講師役に。
政本 夜会巻きのほかにも何かできないかということになって、いろいろ考えてヘアバンド作りを提案しました。この撮影が長引いてしまったのには理由があって──、手順の撮影をする時って、あらかじめ途中まで縫ったものを用意して撮影してもらうべきなんですよね。なのに当日はまっさらの素材しか用意しなかったものだから、カメラの前でずうっと手縫いをし続けることに(笑)!!
──バレリーナは皆、手縫いが得意?
政本 ポワントを加工するときに手縫いするので! 男性もシューズを縫うことがあるので、男女問わず、ダンサーは皆手縫いに慣れているかもしれません。でも、カメラの前で縫うなんて初めてだったので、緊張しました。
──舞台で踊るより緊張?
政本 だって、舞台では喋らないじゃないですか(笑)。カメラの前では「3、2、1......」となるとその瞬間に緊張(笑)。〈ホリデイ@home〉のメッセージ・リレーのためにメッセージの自撮りもしたのですが、話すことが覚えられず、NG集ができちゃうくらい撮り直しに!
──しゃべらないプログラム、「バレリーナを描こう」にも登場しました。ずっとポーズをとっているダンサーのまわりをカメラが360度ぐるりとまわって撮影、というのは、滅多にない経験ですね。
政本 そうなんです。舞台では、正面を向いてお客さんのことを意識するわけですが、それが360度! 後ろからも見られるという状況は普段と全然違います。が、ほぼ撮り直しなしに撮影したんですよ。周りを360度まわって撮影するカメラマンさんも、台車を押していた方も、まさにプロフェッショナルでした。
──楽しい企画でしたね。ところで、〈バレエホリデイ@home〉のあとは日々、どんなふうに過ごしていましたか。
政本 リノリウムを買ったんです。1畳弱くらいのサイズですが、バー・レッスンなら十分に対応できて、毎日11時半からのオンラインレッスンを受けていました。「こんな女装の面白い人がレッスンやっている」(笑)と聞いて、違うレッスンを受けて気分転換することも。手作りもしています。後輩にピアスを作って送ってあげたりもしました。
3月にはパリ・オペラ座バレエ団の日本公演で『オネーギン』を観ることができ、その後バレエ団では『ラ・シルフィード』を上演、お客さんの前で踊ることができましたが、この先、完全に普通の状態に戻るまでには時間がかかりそうですね。いまは、その時が来たらしっかりと力を出せるよう、蓄えておく時間なんだなと思っています。
いままであまりできなかったことにも取り組んで──。たとえばバレエの歴史の本を読むこともその一つ。そんなふうに過ごしながら、早く皆さんの前で踊れる日がくるといいな、と思っています!