
マスク着用、時間短縮など、様々な工夫をしながら進行中の子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」のリハーサル。いろんなキャラクターが活躍するバレエだけに、スタジオでは入れ替わり立ち替わりで個性豊かなキャラたちの稽古が進んでいます。
今回は、第2幕に登場するキャラ、フロリナ王女と青い鳥を踊る足立真里亜と大塚卓のペアの登場です! 大塚はこの4月にセカンド・ソリストとして入団したばかり、自己紹介も兼ねて、足立との楽しいトークをお届けします。
──大塚さんは、CAT会員のみなさまにとっては「はじめまして」です。
大塚 卓 そうなんです。入団して2週間クラスに出て、リハーサルに2日ほど参加して、それでバレエ団がお休みになってしまって......。
足立真里亜 私も聞いたことないので自己紹介をぜひ!
大塚 そうですね。出身は千葉で、東京のバレエ・スクールからハンブルク・バレエ学校に1年ちょっと留学し、その後、オーストラリアのブリスベンにあるクイーンズランド・バレエ団で3年間踊っていました。そこでは古典を中心に踊っていましたが、ソリスト役では『ラ・バヤデール』のブロンズ像、『シンデレラ』の道化などを経験しました。
当初から、まずは海外で学んで世界を見てから日本に戻ってこようと考えていたので、3年頑張ったところで帰国、東京バレエ団に入団しました。
足立 私は海外の経験が全くないのがコンプレックスでしたから、羨ましい限りです。でも東京バレエ団に入ってくれて本当によかった!
大塚 以前から、東京バレエ団のことは話に聞いていました。レパートリーが素晴らしいし、海外公演もありますし!
足立 海外公演を経験できたことで、私はコンプレックスを払拭することができたんです。海外で現地のカンパニーを見ることができるのは貴重な経験です。
──大塚さんは子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」が東京バレエ団デビューとなります。
大塚 舞台でパ・ド・ドゥを踊るのもこれが初めてなんです。
足立 そうは思えないです! 私は前回のフロリナが初めてのパ・ド・ドゥだったので、緊張しましたね。ただ、「子ねむり」の青い鳥とフロリナ王女はグラン・パ・ド・ドゥではなくアダージオだけ。いろんなキャラクターが次々に登場するので、緊張する間もないのです。
大塚 オーソドックスなパ・ド・ドゥですよね。リフトも2つだけで、サポート中心のスタンダードなパ・ド・ドゥ......なのだけれど!
足立 そう! ほかのキャラクターと比べるとクラシックの要素が強い踊りなので、雰囲気だけではごまかせない。しっかりバレエを踊らなければ。それに卓くんのデビューでもあるから、私も緊張してしまう。
でも、「パ・ド・ドゥは二人で踊るものだから」と、舞い上がっている私に冷静に言ってくれて、メンタルでもサポートもしてくれる。とても助かります。
大塚 僕のほうが年下なんですけど(笑)。
足立真里亜
──最初から呼吸がぴったり!
足立 それが違うんです! リハーサルに入る前に話をする機会があり、そのときは陽気でひょうきんな人という印象だったんです。ところが、リハーサルで先生に見てもらう前に1回合わせておきましょうと練習をしたら、全然息が合わない! しかも、鋭い目つきに冷たい声で「あ、ここはもっとこうしてもらっていいですか」とすごく冷淡なんですよ。あれ、思っていたような雰囲気じゃない、どうしよう!終わった!!とみんなに相談しちゃったくらいなんです(笑)。
大塚 ちょ、ちょっと違います! そんなつもりじゃなくて(笑)。僕も自粛明けで久しぶりだったので、すぐにはうまく合わせられなくて。で、何回かやっていくうちに良くなって、「明日のリハ頑張ろうね」ということになったじゃないですか!
──険悪な雰囲気に!?
足立 (笑)、今はもう言いたいことも言えるようになりました!
大塚 僕は最初に組むのが真里亜さんでよかったなって思っていましたよ。『ドン・キホーテ』のキューピッドのような役も独りでしっかり踊れる人なら踊りやすいと思っていましたから。
足立 私は根に持っていますからね(笑)! いや、言いたいことを言い合えるし、ダンサーとしても本当に素敵です。立ち姿が端正で、まるで王子さまですから!
大塚 僕は4人の王子もやるのですが、衣裳がすごく可愛いですね。"カボチャ・パンツ"を履きます。
足立 衣裳も可愛いし、本当に絵本のような舞台です。それにスピード感もあって、子どもたちも退屈することなく楽しめるのがいいですね。
大塚 卓
──「子ねむり」のあとも公演が続きます。
大塚 実は、『ドン・キホーテ』はオーストラリアでは経験していなかったんです。
足立 私はキューピッド役ですが、以前の公演で悔いが残るところをリベンジしたい。
大塚 10月の『M』は、これから映像を見て学ばないと。
足立 女性は舞台で歌う場面があるので、緊張します。
大塚 歌! 実は僕、オーストラリアの公演で歌ったことがあるんです。イリ・キリアンの『ソルジャーズ・マス』という作品でしたが、これは大変な経験でした。
──これからもっといろんな経験を重ねることに!
大塚 自粛生活に入って、一瞬「少し休める!」と喜んだものの、ダンサーはやはり踊っていないと! みんな公演がなくてうずうずしていましたから気合が入ります。
足立 みなさんが劇場に足を運ぶことができず、芸術に触れる機会が少なくなってしまって、心が落ち込んだり、疲れたりしているときに、このハッピーで可愛いバレエをお届けできるのは嬉しいことです。みんなで喜びにあふれる舞台にしたいですね。卓くんは東京バレエ団デビューですから!
大塚 よろしくお願いいたします!
リハーサルはマスク着用で頑張っています!