
今回は、入団11年目、この春セカンドソリストに昇進した髙浦由美子の登場です。バレエへ思い、〈HOPE JAPAN 2021〉全国ツアーへの抱負について、たっぷり語ります!
2021年2月の『ジゼル』公演時の舞台裏で。左から髙浦由美子、上田実歩、加藤くるみ。
──まずは自己紹介からいきましょう。出身は神奈川県でしたね。
髙浦 はい。相模原市です。5歳でバレエを始めて、ずっと地元のスタジオで学んできました。姉がバレエを習っていたので私も始めたのですが、最初の頃は極度の恥ずかしがり屋で、ずっとママに抱っこされている状態......。5歳にもなってですよ(笑)。
──そんな恥ずかしがり屋さんがプロのバレエダンサーに!?
髙浦 絵を描くのが好きだったので、絵描きさんになりたいとも思っていたのです。あ、上手ではないですよ(笑)。でも、スタジオの発表会に出るようになると、周りの皆が喜んでくれるのが嬉しくて、きれいな衣裳で踊るのが楽しくて、でも何より踊ることが好きだったので、バレリーナになりたいと思うようになりました。
地元のスタジオにはよく東京バレエ団のダンサーが指導にいらしていて、バレエ団のお話もよく伺っていました。一度発表会で『ラ・バヤデール』の"影の王国"を上演した時、東京バレエ団の小出領子さんがゲストで出演されて、憧れるように。そんなこともあって、東京バレエ団に入ってバレリーナとして活躍したい、と思うようになったんです。
──入団後の初舞台は?
髙浦 入団後しばらくは舞台に立つ機会がなく、ひたすらレッスンして、リハーサルで音出しをしたり楽屋の準備をしたりと勉強の日々が続いていました。初舞台は入団の翌年、2012年1月の〈ニジンスキー・ガラ〉で、『レ・シルフィード』と『ペトルーシュカ』です。
──最近はソリスト役に取り組む機会も多いですね。最近の舞台でとくに印象的な役柄は?
髙浦 昨年12月の『くるみ割り人形』のツアーで、第2幕のロシアを踊ったのが印象的でした。ロシアは以前のヴァージョンの頃からずっとアンダースタディを務めていた役なので、舞台で踊ることができたのはとても嬉しく、思い入れのある役柄になりました。明るく溌剌とした雰囲気の、すごく盛り上がる踊りで、パワフルな男性二人──山下湧吾くんと昂師吏功くんに挟まれて、彼らに負けないようにエネルギッシュに、でも女性としての魅力を忘れないように演じました。
──今年2月の『ジゼル』の第1幕では、パ・ド・ユイットに配されました。
髙浦 久しぶりの『ジゼル』でしたが、山車に乗って登場する女性ソリストたちは憧れでしたから、感慨深いものがありました。すごく難しいパがあるわけではないのですが、相当緊張しました。でも楽しく踊りきることができたと思います。
2021年2月公演『ジゼル』第1幕より。左から2番目のカップルを踊っているのが高浦。
photo: Kiyonori Hasegawa
──先日の子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』も無事に務めました。
髙浦 最近はよく第1幕の「6人の女性」役を演じています。学校公演を含めて回数を重ねている作品ですが、広場の場面では自由に演じる部分が多く、毎回見える風景が違うので、いつも新鮮な気持ちです。主役の二人とやりとりするようなこともあるし、思わぬ人と目が合うことも! たまに舞台上の落とし物を拾うことになってドキドキすることもあります(笑)。
──落とし物!?
髙浦 衣裳の飾りとかアクセサリーが取れて落ちていたりすると、一番近くにいる人が拾うんです。私だ、となった場合は、これをどうやって取ろうかとドキドキするんです。子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』の場合は蜘蛛の巣が登場しますが、どうしても切れ端が散ってしまうので、その回収では皆が協力します!
──〈HOPE JAPAN 2021〉ツアーのためのリハーサルが佳境に入っていますね。
髙浦 私は『ギリシャの踊り』と『パキータ』に出演します。『パキータ』は、子どもの頃からたびたび踊っていた作品で、コール・ドからソリスト、ヴァリエーション、最後にはエトワールも務めたので、思い入れたっぷりです。キャラクターの要素も入った華やかなバレエですし、今回、ソリストで出演させてもらうのでぜひ、注目していただきたいです。
『ギリシャの踊り』は、以前にも久しぶりですね。大好きです。波の音で始まって、独特のギリシャの音楽にあわせて、女性だけの踊り、男性だけの踊りと、様々なシーンが連なっていきます。ベジャールさんならではのポーズがふんだんに入っていて見応えがあります。女性陣は「女性らしさが大切」と言われていますね。
私はどちらかというとクラシックのほうが向いているのかなと思っていたので、ベジャール作品は最初のうちは戸惑いだらけでした。クラシックとかけ離れているわけではないけれど、歩き方一つとってもベジャールさんのものがある。難しいけれど、毎回楽しく取り組んでいるので、ぜひご覧いただければと思っています。
──これからますます活躍の場が広がりますね。
髙浦 まだまだ自覚している欠点があるし、課題にしっかり向き合って改善していくようにと言われています。一つひとつの舞台をしっかり務めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
自粛生活が続くなか、今年に入ってからとくに読書する機会が増えたという髙浦。村上春樹の『ノルウェイの森』はじめ定番の名作に親しむほか、ミステリー小説を楽しむことも。「最後の1行でびっくりさせられるのがいいですよね!」。お部屋の時間をもっと楽しもうと、最近は可愛いドライフラワーを集めているそう。「山中湖にドライフラワーの装飾がとてもキレイなカフェがあるんです。こういう部屋にしたいなと思って、月に一度、新しいドライフラワーを買って壁に飾っています」。お家でのリラックス時間を満喫している髙浦でした。