
11月に世界初演を果たした『かぐや姫』第1幕でかぐや姫を演じた足立真里亜。まもなく始まる『くるみ割り人形』全国ツアーでは、鹿児島、高松でマーシャを演じます。2021年を振り返りつつ、『くるみ割り人形』の抱負を語ります!
photo: Shoko Matsuhashi
──今年は新しい挑戦が続きましたね。
足立真里亜 そうですね、まず驚いたのが、〈HOPE JAPAN〉東京公演の『ロミオとジュリエット』のパ・ド・ドゥに選ばれたことでした。バレエ団にはジュリエットにふさわしいダンサーがたくさんいるので、これを踊るのは「あの人かな? この人かな?」と思っていたんです。ガラの一演目で、「この子、誰?」(笑)と思われても仕方がない私にとっては、少し個性的な作品だなとは思いましたが、でも、私というダンサーがどういう印象で受け入れられるのかな、とワクワクもしました。
──ワクワク!?
足立 クラシックの王道ではなく、ジュリエット、しかもベジャール作品。それをどうやって表現するのか、その取り組み方は確実に踊りに出ると思うので、その表現を通して、私のことをどういうダンサーとして捉えてもらえるのか、とても楽しみでした。
ベジャール振付『ロミオとジュリエット』のパ・ド・ドゥより。
パートナーは秋元康臣。
photo: Shoko Matsuhashi
──ジュリエット役の手応えは!?
足立 そうですね──あの広い上野の舞台で、たった二人で踊るなんて「意外と度胸あるね」と言われました(笑)。私はどちらかというと自信がなくて引っ込み思案なほうなので、そこを打ち破ることはできたのかなと思いました。当初、マクシーモワさんとワシーリエフさんの映像を拝見したのですが、すごいインパクトでした。とてもシンプルな衣裳(ジュリエットは全身タイツ!)なのに、ここまで物語を見せることができるのかと! バレエ団での初演を踊られた栗橋桂子さん、長瀬信夫さんに指導していただいた時間も、とても有意義でした。
──その後、〈めぐろバレエ祭り〉の公演では子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』で初めてオーロラ姫を踊りました!
足立 パートナーを組んだ大塚卓くんもデビューだったので、お互いにヒヤヒヤするところもあったけれど(笑)、彼はサポートが素晴らしいと同時に、とてもポジティブ。うまく引っ張っていってくれる精神力を持っています。周りの皆も、リハーサルの時からずっとエールを送ってくれたし、もちろん舞台の上でも「頑張れ!」という雰囲気で佇んでくれたので、すごく力になりました。
子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』より。パートナーは大塚 卓。
photo: Shoko Matsuhashi
──オーロラ姫の役作りについては?
足立 大好きなキャラクターです。皆に愛されている存在ということがカギですよね。小さい頃から愛情たっぷりに育ててもらって、もちろん環境は全然違うけれど、私も家族にものすごく愛情をかけて育ててもらったので、"愛されている自信"のようなものはあって(笑)、オーロラ姫にはそういうものがとても必要だと思っていました。 "子どものためのバレエ"ではありますが、舞台を観た子どもたちには本物しか残らないと思うし、子どもたちにとっての何か輝くものの一部になりたいな、と思いながら取り組みました。
──そして『かぐや姫』第1幕!
足立 金森穣さんの新しい振付でしたから、自分の中に全くサンプルがなく、ずっと手探りの状態が続きました。クリエーションはファーストキャストが中心になって進んでいくので、セカンドキャストの私と臣さん(道児役の秋元康臣)は、ひたすら見て学ぶしかない。焦りはありましたが、自分たちは自分たちでクオリティを上げていかなければと必死でした。
──本番10日前に行われた、マスコミ向けの公開リハーサルでの活躍が印象的でした。
足立 あの段階では、最後まで通すことができた曲がほとんどなく、臣さんが初めて踊っているのを見たシーンもあるくらい。さすが臣さん、ポテンシャルが違う!と思いました。終盤のパ・ド・ドゥもあの場で初めて通したので、とにかく臣さんに「よろしくお願いします!」という感じでした。
──かぐや姫という役柄をどのように捉えて演じていましたか。
足立 子ども時代のかぐや姫でしたから、振付自体ものすごくパワフル! でも、そこで冷静さを欠いてしまうと乱雑になってしまう。無邪気と乱暴は違うなって思いますし、大人が演じる子どもってどうしても違和感がある。それを出さないようにしたいと思ったので、本物の子どもたちを観察したり、彼らと接したりしていました。9月の『海賊』公演では子役たちが来てくれたじゃないですか。彼らは待ち時間にどうやって過ごしているんだろうと見ていました!
『かぐや姫』第1幕より。写真左は、かぐや姫と道児(秋元康臣)、童たち(左から涌田美紀、山下湧吾、昂師吏功、本村明日香)。写真右は翁役・飯田宗孝との1場面。
photo: Kiyonori Hasegawa
──2023年10月には全幕上演が予定されています。
足立 第1幕は続きが気になるような終わり方でしたよね。まずは2023年4月に第2幕を上演しますが、かぐや姫は成長し、今度は大人であることを強いられることになるのではないかと思います。
──楽しみですね。そしていまは『くるみ割り人形』のリハーサル中!
足立 はい。鹿児島と高松でマーシャを演じます。またこれがあるある、なんですが、今度も子どもから大人へと変貌する役柄! しかも今度は7歳の少女です。引き続き"観察の旅"です(笑)。
──それが、終幕の大人の女性になって王子とグラン・パ・ド・ドゥを踊ります。
足立 マーシャの憧れの女性像、と言われていますよね。イコール、"私の憧れ"でいいのかな、と思っています。私、どんな女性に憧れるかなって深掘りしていくと、考えることがいっぱいありそうで楽しみ。考えすぎて頭でっかちにならないように気をつけなければと思います。
──この『くるみ割り人形』のツアーが2021年の締めくくりとなります。今年は足立さんにとってどんな年でしたか。
足立 ものすごく自分と闘った年、ですよね。毎回、「じゃあここまでお願いします」という課題を出されるわけですが、それに対していつも「こんなにできるかな」と思ってばかり。たとえば、畳まなきゃいけない洗濯物がたくさんあったとしても、1枚ずつ畳んでいけばいずれ終わるのに、まず、全体の量に圧倒されてしまうタイプなんです(笑)。今年はそういうことが多かったけれど、来年は落ち着いて一つひとつ畳んでいきたい。バレエ団にはお手本がいっぱいいるので、引き続き頑張っていきたいなと思っています!
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最初が兄の影響でしたが、ゲームもアニメも映画も全部好きです。ポケモンの魅力は、冒険して、いろんな敵と戦って仲間と絆を深めて成長していくところ! 推しのポケモンもいろいろいて、一緒に暮らしたいポケモンとか友達になりたいポケモンとか、さまざまです。音楽も本当に素晴らしいんですよ。写真は私の推しポケモン、左がハッサム、右がジラーチです!(足立真里亜)