
3月13日(日)に東京文化会館で行われた、〈The Tokyo Ballet Choreographic Project 2022〉。終演後に舞台上で行われたアフタートークでは、振付を手がけたダンサーたちが作品に対する熱い思いを語りました。トーク後半では、ご来場のお客様から募集した質問にダンサーたちがお答えするコーナーも! ここでは、当日お答えすることができなかった質問にお答えいたします。
(左から金子仁美、木村和夫、岡崎隼也、井福俊太郎、ブラウリオ・アルバレス、安井悠馬)
―振り付けでアイデアが降りてこない時はどうしていますか。
木村和夫 振り付けのアイデアはその曲を使う時点で幾つかもう出来ていて、その中から最善の物を選びます。今回の「バラの精」では音楽の持つ優雅さや、後半のボルテージの高まりをニジンスキーの元版を現代的に置き換えて作りました。結果、替え歌みたいになってしまったかな〜(笑)振りその物が浮かばない時は、ひたすら音を聴き感性のままに動いてみます。7分以上の曲なので今回のように深いテーマが無い作品も小さなドラマが必要で、その辻褄を合わせる作業が意外と大変です。
岡崎隼也 使用曲を流しながらとにかく身体を動かして、自分がどう動きたいかを探ります。
井福俊太郎 ダンサーが動いてる何気ない動きを振り付けに入れたりしてます。そのダンサーの癖だったりよく見えるためには、ダンサーの癖を入れるのが良いと思ってます。
安井悠馬 アイデアなら溢れすぎてて、むしろ入れ込みきれないって感じなので、よく分かりません!
ブラウリオ・アルバレス まだそのような問題に直面したことはないですし、うまくいけば当分ないように思います。― I have not had that problem yet. Hopefully it will still be this way for a while.
―作品を作るうえでのモチーフなどは、どんなところからインスピレーションを受けて作られていますか。
木村 インスピレーションはやはりその曲を聴いて自分の感情がどう動くのか? という直感です。今回は古典のバレエファンも思わずクスッと笑ってしまうような仕掛けを散りばめつつ、曲のタイトルの舞踏への招待からワルツに合わせて池本くん(池本祥真)が、代わる代わる違う女性と踊る事で生まれるコミカルさで、明るい作風に導きたいと思いました。余談ですが・・・主役の男性を秋元くん(秋元康臣)と池本くん、どちらに決めるかはかなり悩みました。全然違う大人な作品に見えてくるかなぁ。なんて想像してしまいます(笑)
ブラウリオ 有名な衣裳・装置デザイナーである、ユルゲン・ローゼがかつて僕に言ったのは、"インスピレーションはどこにでもある"ということです。アイデアや音楽、モーニングコーヒー、動物、海・・・インスピレーションの源は尽きません。―Like what famous costume and stage designer Jürgen Rose once told me, inspiration is everywhere. It can come from ideas, music, morning coffee, animals, the ocean .... There is no end to it.
―他の方の作品で印象に残ったことがあれば知りたいです。
金子仁美 どの作品にもそれぞれ印象に残った部分はあります。コレオグラファーの皆さんの頭の中を見てみたいです! 同じ音楽、同じテーマでそれぞれ作品を創ったらどうなるのか、やってみたいなと思いました。
ブラウリオ 金子さんの作品(「The sun rises」)がとても良かったです。とてもシンプルなのにいつも笑顔にしてくれる作品です。― I enjoyed Kaneko's choreography very much. It was very simple but it always brought a smile to my face.
―他の方の作品で出演したいと思った作品はありますか。理由も教えてください。
安井 金子仁美さんの作品です。綺麗な役をやる機会があまりないので、僕もあのような美しいパ・ド・ドゥを踊ってみたいです。
ブラウリオ 少し質問とは違いますが、他の振付家と一緒に作品を作ってみたいです。僕にとってジョン・ノイマイヤーと一緒に働くことができたのは、ダンサーとして幸せな思い出の一つです。― I love to work with other choreographers! Some of my happiest memories as a dancer are from working with John Neumeier.
―どのタイミングで動きを考え始めますか?ファースト・インプレッションでとにかく動いてみるのか、構想が固まるまでじっくり音楽を聴き続けるのかをお聞きしたいです。
井福 移動中の車や時間があるときに音楽を大音量にして、劇場でその曲が流れているイメージを膨らませています。スタジオでは曲を流してインプロ(即興)で踊り、そのビデオを見ながら振り付けに使えそうなムーブメントだけ取り入れて、採用するようにしています。それが1番音楽に合う振り付けだったり、考えすぎない振り付けになれるので自分は気に入っています。
安井 音楽を聴き続けていると、気が付いたら動きを知ってる状態になるので、それを形に起こすだけです。何か思い出すような感覚に似ていますね。
―ご自分の作品に出演してもらうダンサーはどのように決めるのですか。
岡崎 初めてお願いする場合は、クラスレッスンをしている時の雰囲気の重要度が高いですね。その子が持つ空気感、今まで踊ってくれているダンサーとは違う要素を持っているダンサーを選ぶ傾向があります。
金子 自分のイメージに当てはまって、求めてる表現をしてくれる・・・。この部分は一番大切にしたことです。それと、今回の作品ではリフトが多かったので頼もしい男性ダンサーが必要でした。普段のレッスンや舞台で踊る姿を見てきて、この2人の雰囲気が合うな。と感じて決めました!
安井 世界観に必要な性格と個性、条件を持った人を探します。僕にとっては、バレエの実力なんて全く関係ないです。適役のダンサーが居なかったら、入力した項目の中からランダムで選んでくれるアプリを使ってみることも・・・?
たくさんのご質問をいただきありがとうございました。今後も進化し続ける東京バレエ団をどうぞよろしくお願いいたします。