
今回は、2月の『白鳥の湖』の花嫁候補を演じてソリスト役デビューを果たしたアーティスト、米澤一葉の登場です。『白鳥の湖』への思い、子供の頃の思い出の舞台など、たくさん話しています!
──以前、東京バレエ団のブログで留学レポートでは登場されていますが、クラブアッサンブレのブログには初登場ですね。まずは自己紹介からお願いします。
米澤一葉 千葉県千葉市出身の米澤一葉です。3歳でバレエを始めました。最初は地元のカルチャースクールで、音楽に合わせて身体を動かすだけ、という感じだったのですが、恥ずかしがり屋だったものでなかなか楽しめず──。でもその後近所のバレエ教室に移って、発表会に出るようになると、ぐんと楽しくなりました。
──東京バレエ学校のSクラスで学んでいます。
米澤 小学校5年の時にSクラスに入りました。プロになりたいと思うようになったから──というよりは、習い始めたころからバレリーナになるんだろうなと、自然に思っていました。
──小さい頃の憧れのバレエ・ダンサーは?
米澤 小学校一年生の時、神奈川県民ホールでマリインスキー・バレエの『白鳥の湖』を観たのですが、その時の主役がアリーナ・ソーモワさんでした。本格的な全幕バレエを観たのはこの時が初めてでしたから、衝撃は大きかったです。
──ワガノワ・バレエ・アカデミーに留学したのはいつのことでしたか?
米澤 Sクラス在籍中にバレエ団のオーディションを受け、2018年に研究生として入団したのですが、その4カ月後から約1年間、ワガノワで勉強する機会をいただきました。アーティストに昇進したのは帰国した翌年の2020年4月です。
初舞台は、留学する直前の〈上野の森バレエホリデイ〉で、屋外特設ステージで踊った『ハミング・バード』(木村和夫振付)と、レッスンのデモンストレーションですが、本公演は2018年の『白鳥の湖』が最初でした。自分の感情を感じる余裕もないくらいだったのですが、本当に毎日必死で練習して、本番は楽しむことができました!
──その後、いろんな舞台を体験していますね。
米澤 『くるみ割り人形』は2019年の初演の時からずっと参加しています。最初は騎兵隊に雪の精、花のワルツを踊って、翌年からはこれに加えて第1幕のパーティーのお客さんに第2幕のアラビアのコール・ドもつとめました。それぞれの役を楽しむことができてよかったのですが、やはり花のワルツはあの音楽が大好きで、涙が出るくらい幸せでした。座ってマーシャと王子を観ている時も涙が出そうでした。
──そして先月は初めてのソリスト役に挑戦しました。
米澤 2月の『白鳥の湖』第3幕で、花嫁候補の一人を演じました! ジークフリート王子の4人の花嫁候補のうちの一人、最後に登場する女性の役です。登場時、中央の階段から颯爽と降りてくるのですが、リハーサルで転びそうになってしまって、本番は本当にドキドキでした。
『白鳥の湖』第3幕。花嫁候補役を演じました(左はその母親役の福田真理子)
photo: Shoko Matsuhashi
──付き添いのお母さんは?
米澤 福田真理子さんです。後ろから見守ってくれたり、アチチュードでバランスの時、手を差し伸べて支えてくれたりして、心強かったです。
王子に対しては、自分ではたくさんアピールしたつもりなのですが、一度もこっちを向いてもらえませんでした(笑)。(編集部注:王子は柄本弾)
本番では本当に楽しんで、感じたまま踊ることができてよかったのですが、経験の浅い私は上体の使い方がすごくぎこちなく、もっと自由に踊れるようにならなければと実感しました。
──第2幕、第4幕の白鳥たちも踊っていますね。
米澤 あと第1幕の貴族も。第3幕は、花嫁候補のほかに日替わりでマズルカのコール・ドも踊っています。キャラクター・ダンスは、地元の教室で初めて体験して、その後ワガノワで専門の先生から学ぶ機会がありました。一時期、バレエよりも好きなんじゃないかと思うくらい大好きに! より自分を出して、気持ちよく踊れるんです。
──キャラクター・ダンスのどんなところに魅力を感じますか。
米澤 ロシアとか、ハンガリーとか、いろんな国の民族舞踊がベースになっていますが、それぞれに違ったニュアンスがあって面白いんです。私が踊ったマズルカはポーランドの踊りですが、たとえばこういう左右に揺れるパ(と、生実演)がありますが、これをマズルカでは、流れるように、波打つように踊るよう教わりました。ただ、同じパでもチャルダッシュになると、もっとこう、切るように踊ります。
photo: JPD
──これからいろんな作品に挑戦していきますね。
米澤 クランコ版の『ロミオとジュリエット』がとても楽しみです。実は私、東京バレエ団の舞台に初めて出演させてもらったのが、2014年のノイマイヤー版『ロミオとジュリエット』だったんです! 市民の子役で参加しました。
バレエのレッスンしか受けていなかった状態で、演技なんて全然分からなくて、「もっとちゃんと演技して」「全員が一人ひとりそこで生きていると思って!」と注意されたのを覚えています。舞台でのリハーサルでは、沖かなさん(沖香菜子)と(柄本)弾さんのラストシーンを袖から観て、泣きました。バレエを観て泣いたのはこれが初めて。クランコの『ロミオとジュリエット』も、本当に楽しみです。
これからいろんな作品を経験すると思いますが、目の前にあること、今の自分としっかり向き合って、その時々の課題や目標をクリアできるように毎日頑張っていって、そうするとさらにその先が見えてくるのかなと思っています。踊りには人間性が出るものですから、人間的にも素晴らしくありたいと思っています。いろいろ勉強も重ねていきたいです。
──どんな学びを?
米澤 歴史を学ぶことはとても大切だなと思います。言語も、ですね。ロシア語は留学の時に学びましたが、まだ完全ではありません。格変化が6種類あって語尾が変化して、なかなか難しいのです。トイレの壁に格変化の表を貼っています(笑)! Instagramでロシア語のコメントを見つけた時は、できるだけ翻訳機能を使わずに読むようにしています。頑張ります!
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自粛期間中はよく料理をしていました。写真は得意料理のシューマイです。皮は買ってきましたが(笑)、ちゃんと中身を作ってセイロで蒸します。美味しくできました! いまはあまり時間的に余裕がなくて料理はしていませんが、これからもっと練習したいと思っています!(米澤一葉)