
東京バレエ団は〈ベジャール・ガラ〉ののち、〈HOPE JAPAN 2022〉ツアーへ、さらには子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』のツアーと予定が目白押し。今回は、『パキータ』の主役、そして『ドン・キホーテの夢』でキトリ役を演じる中川美雪が意気込みを語ります!
──〈ベジャール・ガラ〉の『火の鳥』9年ぶりの復活上演ではパルチザンを演じています。
中川美雪 とても楽しみにしていました! 『バクチIII』も久しぶりに観ることができて嬉しくて。ベジャール作品は観るのも踊るのも大好きです。
──観るもの踊るのも!
中川 そうなんです。たとえば『春の祭典』は(伝田)陽美さんの生贄がとても好き。どうしてなのかは言葉にできないけれど──。踊るのも好きです。ベジャール作品を踊っているときは、私もエネルギーをたくさん出しているような感覚。何か力を感じるんですよね。
──これまで取り組んだベジャール作品で印象に残っているものは?
中川 『ドン・ジョヴァンニ』のヴァリエーション2です。海外公演でのことでしたが、そのときは大先輩の矢島まいさんが第1キャストだったのですが、入団3年目の私にもチャレンジの機会を与えてもらって。私にとって初めてのソリスト役で、すごく好きな役です。
このときの踊りを、飯田先生(5月に急逝した団長の飯田宗孝。当時は芸術監督)が「良かったよ」と褒めてくださったのをよく覚えています。──もう、思い出すだけで泣きそうになりますね。入団当初は怖くてご挨拶くらいしかできず、ほとんどお話したことがなかったので、とても嬉しかったんです。
今回は『ギリシャの踊り』で各地をまわりますが、これも大好きな作品なので本当に楽しみです。
──昨年の〈HOPE JAPAN 2021〉に続いて『パキータ』では主役を踊りますね!
中川 パートナーの宮川新大くんにすごく助けられています。彼はプリンシパルで経験豊富で心強いし、同い年なのですごく話せます。できないことがあれば、「助けて!」「一緒にお願い!」「教えて!」と(笑)。いつも一緒に考えてくれるんです。
──昨年の手応えは?
中川 配役された当初は、私のもともとのキャラクターとはちょっと違うなと思っていて......。
──違います?
中川 違います(笑)。いつもだいたい「元気だね!」と言われるような役が多く、こういったエレガントな役はほとんどやったことがなかったんです。『セレナーデ』のソリストを踊らせてもらったときもわりと元気よく跳ぶ役でしたから。なので、とてもいい勉強になりました。最初はクラシックの真ん中なんて「できない......!」って思っていましたが、コール・ド・バレエには後輩がたくさんいてくれたし、ソリストに同世代の仲間がいてくれたから、より頑張ることができました。ヴァリエーションの3曲もどれも魅力的。華やかで楽しいバレエですから、各地のお客さまにぜひ楽しんでいただきたく思います。
──〈HOPE JAPAN 2022〉のツアーの後は、すぐに『ドン・キホーテの夢』のツアー。中川さんは東広島、目黒、江戸川でキトリを踊りますが、実は昨年の学校公演で『ドン・キホーテの夢』のキトリ役デビューを果たしているんですよね。
中川 昨年11月と今年1月に、あわせて3回、キトリを踊る機会をもらいました。休憩のない、よりコンパクトな学校公演ヴァージョンでしたが、もう緊張しすぎてあまり覚えていません(笑)。
子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』学校公演より。
photo: Shoko Matsuhashi
──緊張しましたか?
中川 開演前はとくに緊張します。学校公演でのキトリの場合は全然時間が足りなくて──。でも、そんなときに助けてくれるのがパートナーの新大くん! それから、陽美さんに、(秋山)瑛ちゃん、(涌田)美紀ちゃんもいましたから!
──キトリ役のダンサーたちですね。
中川 皆に手取り足取り教えてもらって、それで務め上げることができたといってもいいくらい。(斎藤)友佳理さんには、「皆同じキトリでなくていい」と言われています。振りは決まっていても、キャラクターとか気持ちとか、表現の仕方は皆違っていいと。だから、いろんなキトリを観ることができて勉強になりましたね。
しかも、1回目に気になったところを2回目に改善できたり、演技面でも次はこうやってみよう、と実践することができた。本当にいい経験になりました。
──演技面ではどんな取り組みを?
中川 私の場合、このままで行きたいなと。このまま、"天真爛漫"(笑)な雰囲気で。
課題もあります。私は見せ方が得意ではなくて──身体の使い方とか見せ方をもっとうまく出せるようにしないと。今回の全国ツアーで上演するのは通常版の『ドン・キホーテの夢』ですから、広場の場面のヴァリエーションなど、学校公演では省略されていた踊りにも初挑戦します。今回も各地でたくさんの子どもたちに観てもらえると思うと本当に楽しみです。小さい子が一生懸命拍手してくれている姿を見ると「かわいい!」って思いますし、力をもらっている感じがあります。
子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』学校公演 より、宮川新大と。
photo: Shoko Matsuhashi
──忙しい日々が続きますが、どうぞお気をつけて!
中川 一つずつ、一歩ずつ、進んでいくのが私かな、と思っています。私はそんなに器用なほうではないし、とくに最近は、焦らず、怠けず、もらったものを一番良い形で表現できるように、と心がけています。ベストのものをお届けしたいと思っています!
髪を切るのとはまた別の美容院にトリートメントに行くほど、ヘアケアには気を使っています。初めてお店でトリートメントしてもらったときは、すごくさらさらつやつやになって本当に嬉しくて! 余裕があれば毎月やってもらいたいくらいなのですが、いまは3カ月一度の頻度で通っています。おすすめです!(中川美雪)