
『ラ・バヤデール』公演初日まであとわずか! 日々熱いリハーサルが展開される東京バレエ団のスタジオから、今回は公演3日目に主演する中島映理子が登場。これが主役デビューとなる彼女の、ニキヤ役への意気込みをお届けします!
──ブログへの登場は2021年11月以来の2度目。その後、いろんな役柄に挑戦していますね!
中島映理子 今年2月の『白鳥の湖』では、第1幕のアダージオを、6月の『ドン・キホーテ』全幕ではドリアードの女王を踊らせてもらいました。ドリアードは夢の場からいきなりの登場ですので、緊張感がありましたね。"女王"ですから、夢の場全体を引っ張っていくような雰囲気を出せたらと、音の使い方とか足の運びまで、一つひとつ丁寧にと心がけていました。
2022年6月の『ドン・キホーテ』全幕公演より。
中央がドリアードの女王を演じる中島映理子。
photo: Shoko Matsuhashi
──そして『ラ・バヤデール』では初の主役ですね。
中島 実は『ラ・バヤデール』自体、今回が初参加なんです。コール・ドの経験もなく、強いて言えば十代の時にコンクールで「影の王国」のヴァリエーションを踊ったことがあるという程度。マカロワ版については、タマラ・ロホさんとカルロス・アコスタさんがニキヤとソロルを演じている英国ロイヤル・バレエ団の映像のDVDを持っていて、さらに最近はマリアネラ・ヌニェスさんとワディム・ムンタギロフさんの映像を見ています。どちらもすごく素敵ですよね。
──パリ・オペラ座バレエ団のヌレエフ版『ラ・バヤデール』に触れる機会は?
中島 私がパリにいた間は上演の機会がなかったので、生の舞台を観ることは叶いませんでしたが、映像で見たことはあります。ヌレエフ版は「影の王国」で終わるパターンなのでマカロワ版とはまた違った雰囲気で印象的でした。
──『ラ・バヤデール』初挑戦にして主役デビュー。どんな気持ちですか。
中島 実はニキヤを踊る前に、(上野)水香さんが主演する日に、ジャンペ(侍女の踊り)のソリストで出演します。いきなりニキヤで登場するより、まずはジャンペでこの作品の世界を体験しておきたいという気持ちがありました。
ところがこの踊り、思った以上に大変──ジャンプがたくさんで結構しんどいということがわかりまして(笑)、しっかり練習して、ニキヤとはまた違った雰囲気を楽しめたらいいなと思っています。
──そして、公演3日目にニキヤとして登場ですね!
中島 初めての主役ですから、プレッシャーは感じます。
主役を踊る可能性があると知ったのは、『ドン・キホーテ』のリハーサルが始まった頃だったかと思います。友佳理さん(芸術監督の斎藤友佳理)と一対一でのリハーサルの場が設定されて、「ドリアードの女王の特訓かな」と思い込んでいたら、実はニキヤのリハーサルだったんです。
とはいってもまだ配役は決定前。主役を踊る許可を得るために、マカロワさんにニキヤを踊る映像を見ていただく必要がある。それで、友佳理さんに集中して指導していただき、映像を撮影したんです。
──マカロワさんに見ていただくとなると、緊張しますね。
中島 やってみないとどうなるかわからないし、もしダメだったとしてもこの挑戦は無駄にはならないからと、前向きに取り組みました。友佳理さんと一対一のリハーサルなんて経験したことがなかったので、すごくいい時間になりました。
その後マカロワさんに映像を見ていただき、無事に許可をいただくことができましたが、まだまだ課題がたくさんあります。日々のクラスから気をつけて取り組んでいかなければと思っています。
──その後、バレエ団全体のリハーサルが始まってからは、アメリカン・バレエ・シアターのスターだったフリオ・ボッカの指導が展開されました。
中島 映像で見たボッカさんの踊りは、パワフルでエネルギッシュで情熱的なイメージでしたが、ご本人は想像以上に穏やかな方。決して強く否定することなく、「もう少しできるんじゃない?」と促してくださる。ピルエットの回り方なども、より効率的に回れるよう、いろいろと教えていただきました。演技については、「セリフを言うように」、そしてニュアンスを理解するようにと教えてくださった。ただ、バレリーナである前に、一人の人間として、人間らしく動いてほしいとも。いっぽうで、第2幕の「影の王国」や第3幕のパ・ド・カトルなどは、人間らしさが出過ぎてしまうと意味がわからなくなってしまうので、そのバランスが難しいかもしれません。

ニキヤ役のリハーサルより。photo: Shoko Matsuhashi
──パートナー(宮川新大)との呼吸は合ってきましたか。
中島 新大さんにはたくさん助けてもらっています。私自身、パ・ド・ドゥの経験が多いほうではないので、最初はとても難しく感じていましたが、「そこはもうちょっと頼ってくれていいよ」「ここは少し触れるくらいでいい」と、様々にアドバイスしてくれますし、私も新大さんに任せきりにするのではなくて、「そこだと少し遠すぎます」「自分の軸はここがやりやすい」と意見を出すようにしています。試行錯誤しながら、ですね。
──ニキヤをどんな女性として捉えていますか。
中島 姫は演じたことがあるけれど、巫女というのは初めて! でも何か魅力があって、芯が強くて、恋愛に対して一途なピュアな心を持っていて──いろんな思いが詰まっている女性だなと感じています。芯が強いといっても、強く踊るというのとはまた違いますし、踊りだけではなく、雰囲気や佇まいでそうした面を表現できたら──。
でもとにかく、主役は運動量が違いすぎます(笑)! 真ん中って大変なんだなと実感しているところです。
──では、最後にクラブ・アッサンブレの皆さんにメッセージをどうぞ!
中島 平日の昼公演となりますが、学校団体とクラブアッサブレの会員の皆さまのための貸切公演でニキヤを踊ります。もしかしたら中高生にとっては難しいお話かもしれませんが、『ラ・バヤデール』というバレエを存分に楽しんでいただけるよう、何か伝わるよう、つとめたいと思っています!
─────────────────────────────
─────────────────────────────
いま、趣味といえるものが何もないのですが、毎日のお風呂上がりのアイスが私の癒しです。写真左は家の冷凍庫にストックしているもの、右は週末に出かけた際に立ち寄ったジェラート屋さんのジェラートです!(中島映理子)