
3月に開催される〈The Tokyo Ballet Choreographic Project(コレオグラフィック・プロジェクト)〉、今年は3年ぶりに東京バレエ団でのスタジオ・パフォーマンスが復活します! 今回は、先日実施された上演作品選考を兼ねた試演会の様子をお届けします。
〈The Tokyo Ballet Choreographic Project〉で発表された作品より。
左は木村和夫振付『ハミングバード』、
右はブラウリオ・アルバレス振付『Auferstehung (復活) 第一部』。
photos: Kiyonori Hasegawa
ダンサーたちに創作の機会を与え、アーティストとしてのモチベーションを高めてもらいたいという斎藤友佳理芸術監督の発案により、2017年にスタートした本プロジェクト。作品発表の場として東京バレエ団でのスタジオ・パフォーマンスを実施し、皆さまに団員たちの作品をより近くで体感していただく機会を設けてきましたが、2020年1月以来スタジオでの上演は中断、劇場の舞台での公演を重ねてきました。今回のスタジオ・パフォーマンスは実に3年ぶりの実現となります。試演会にのぞんだ振付担当者は、〈Choreographic Project〉常連の木村和夫、岡崎隼也、ブラウリオ・アルバレスと、初挑戦となる加藤くるみの4人。各々未完成の部分もありますが、それぞれの思いをたっぷりとこめた作品を発表しました。
若手ダンサーを起用した爽やかなデュエット作品『ハミングバード』(2017)をはじめ、コンスタントに作品を発表してきた木村和夫。今回は取り組んだのは男性二人のための作品。J. S. バッハのパルティータにのせて、二人の人物の対照的なキャラクターを描き出します。
木村和夫振付『バラの精』より photo: Kiyonori Hasegawa
2017年の初回より参加を重ねている岡崎隼也は2作品のエントリー。
1作品目は、『運命』より。2020年の本プロジェクトで観客賞を受賞した『運命』(抜粋版)は、メリメの「カルメン」に着想した作品でしたが、今回は前作とはまた異なる場面で構成し、物語にアプローチ。岡崎独特の複雑な振付が、どんな表現へとつながっていくのかが期待されます。岡崎はこのほか、女性3人による小品も準備中。忙しくなりそうです!
岡崎隼也が2020年に創作した『運命』(抜粋版)より
photo: Shoko Matsuhashi
ブラウリオ・アルバレスも初回からの常連。昨年はマーラーのシンフォニーに振付けた大掛かりな作品『Auferstehung (復活) 第一部』などを創作、常に意欲的に取り組んできました。今回は、「平家物語」に想を得た男女のデュエット作品、また谷崎潤一郎作品をベースに振付けた男女11人のための作品での参加です。
岡崎もアルバレスも、めぐろパーシモンホール、東京文化会館の大舞台でも自作を上演してきましたが、今回のスタジオ・パフォーマンスの実現について、「遠くからでは聞こえにくいダンサーの呼吸や、繊細なニュアンスも、スタジオ・パフォーマンスであればこそお客さまに伝わる。本当に楽しみにしています」とコメント。「本番までは時間との戦い。限られた時間の中でのリハーサルで、自分が望むレベルまで仕上げることができるかどうか──」とも。例年皆、バレエ団公演のリハーサルの合間に創作に取り組むので、「間に合うかな!?」とドキドキすることも多々あるようです。
試演会にのぞむブラウリオ・アルバレス
そして、初参加の加藤くるみ。初の試演会の感想を聞くと、「この試演会まで、作品の内容を知っているのは私と踊ってくれるダンサーだけでしたから、初めて見た方々がどんなふうに感じるのか、率直に知りたいという気持ちでした」。さらに、「今回、作品を振付けられた皆さん──私は3人全員の作品を踊ったことがあるので、皆さん振付の大先輩ですが、今回、この3人に感想やアドバイスをもらって、いま、作品について毎日考えています。いまできることを少しでも形にできるよう、ダンサーと一緒に作っていきたいです」と抱負をのべていました。
指導者、スタッフたちに自作について説明する
初参加の加藤くるみ
3月18日(土)、19日(日)のスタジオ・パフォーマンスでは、彼ら4人による6作品を上演する予定(チケットは既に完売)。さてどんなパフォーマンスが繰り広げられるか、どうぞご期待ください!