クラブ・アッサンブレ会員サイト

クラブ・アッサンブレ会員サイト Club Assemble Membersトップに戻る

ブログ

2023/03/12

振付に初挑戦しています!──加藤くるみ

来週末開催の〈The Tokyo Ballet Choreographic Project (コレオグラフィック・プロジェクト)〉、今年は3年ぶりのスタジオ・パフォーマンスが実現! 本ブログでは今回から2回にわたって本番直前特集をお届け。第1弾の今回は、今年はじめて振付作品を発表する加藤くるみが登場、振付のアイデア、リハーサルの様子などを聞きました。

加藤くるみのコピー.jpg

──〈Choreographic Project〉 にはこれまでも毎回のようにダンサーとして参加してきましたね。

加藤くるみ そうなんです。たとえば、(岡崎)隼也さんの作品は、2018年の『理由』、2020年の『運命』抜粋版、2021年のサマーバレエコンサートで『ZERO』を踊っていますし、昨年はカズさん(木村和夫)の『バラの精』、それから(金子)仁美さんの『Daydream』──これは〈上野の森バレエホリデイ〉の企画で、東京文化会館の小ホールで上演した女性3人の作品でした。ブラウ(ブラウリオ・アルバレス)の作品は、諸事情で本番には出演できなかったのですが、『夜叉』(2018)のリハーサルに参加していました。このプロジェクト自体にはかなり初期から参加していました。

22-05-01_ホリデイD&C_金子仁美振付_Daydream_3646_photo_Shoko Matsuhashi.jpg

2022年の〈上野の森バレエホリデイ〉で上演された
金子仁美振付『Daydream』より。中央が加藤くるみ
photo: Shoko Matsuhashi

──そして、今回ついに振付にチャレンジ!

加藤 そうなんです。ジョン・ノイマイヤーさんの作品が大好きで素敵だなってずっと思っていました。とくに『スプリング・アンド・フォール』が好きなのですが、東京バレエ団にいると、ノイマイヤーさんだけでなくベジャールさんやキリアンさんといった素晴らしい振付家の作品に触れる機会がたくさんあって、こんなふうに心に響くような作品をいつか創りたいと思い、はじめの一歩として今回チャレンジしました。子供たちの発表会のために振りを作ることはあっても、自由に創作するチャンスなんて普通はありません。〈Choreographic Project〉は、東京バレエ団のダンサーなら、私のようにコンテンポラリーを専門的に学んだことのない人でも試演会にチャレンジさせてくれる。素晴らしいなって思います。

──エントリーを決めたのは昨年秋だそうですが、その時点で作品の構想は固まっていましたか。

加藤 「What a Wonderful World(この素晴らしき世界)」をカッコよくカバーした曲があって、「この曲で振付けたいな」と思っていたんです。どちらかというとストリート系のダンスぽいサウンドですが、メロディはよく知っていますし、取り組みやすいかなと感じていました。当初はエントリーしようかどうしようかとかなり迷いましたが、締切直前になって最初の1分間の振りができてきたので、その段階でエントリーを決めました。ギリギリでした(笑)。

──1分できていたら残りは3分!

加藤 と思っていたのですが、ちょっと違いました(笑)。
実は当初、あの曲の歌詞そのまま、あの言葉通りのものを表現しようと思って進めていたんです。すごくハッピーな雰囲気ですよね。でも、振付を進めていくうちに、いや違うな、こういうことばっかりじゃない──この世界、小さな幸せを感じられる日々だけじゃないなって気付いて、むしろ、悩みや苦しみを抱える中で見えてくる小さな幸せを表現したいなって思うように。結局最初のその1分間は全面的に変わったし、その後の部分も作っては戻って、作っては戻って、何度も何度も作り直すというプロセスを重ね、2月中旬の試演会の直前にもかなり手を加えて上演までこぎつけました。

──その過程で、振付の先輩たちにいろいろとアドバイスしてもらうことも?

加藤 そうなんです。フォーメーションの組み立て方などわからないことばかりだったんです。ブラウに助言を求めると、「とにかく書いてみたほうがいい」と! そのフォーメーションを見せたいだけなのか、それとも何か意味があってそこに移動するのかということにもよるんだなということがわかりました。
実は今回、隼也さんの作品にダンサーとして参加しているので、その振付と並行して自分の創作を進められたことも良かったなと思います。踊りながら、「こうやってやるんだな」と気づくこともありました。カズさんもいろいろと気にかけてくれていて、「照明をどうやったらいいのか全くわからないんです」と言う私に、「僕も最初そうだったよ」って言ってくれて、いろいろとアドバイスしてくれました。

加藤くるみ01.jpg

──振付が進めばさらに新しい疑問も出てきて......?

加藤 始めてみたらこの音楽、実はカウントが取りにくいということに気付いて(笑)、カズさんは「カウントがすべてではないよ」と言ってくれました。カウントでなく、「この音」でこうしたいというのがあるのなら、それをしっかりダンサーに伝えるべきとも。

──それにダンサーたちは応えてくれる?

加藤 そうなんです! 声をかけたダンサーたちは皆、私にないものを持っていたり、佇まいの素敵な人たち。みんなとてもしっかり者でひとつずつ丁寧にリハーサルを重ねてくれる人たちなので、「そこはこうやってカウントとってみたらどうですか」とか、振りについて私がちょっと妥協しようとすると、「それはカッコよくない。もうちょっとこうしたい」とか言ってくれるんです。だから本当に皆で創っている感覚ですね。

Collage.jpg

『What a Wonderful World』リハーサルより。ダンサーは
生方隆之介、岡﨑 司、加古貴也、前川琴音、鈴木香厘の5人


──試演会はどうでしたか。緊張したのでは。

加藤 そうですね。私がこうやって頭抱えて紙に書いて考えたものを、「いま、5人がこうやって踊っている!!」って、不思議な気持ちに(笑)。こうなるとは思っていなかった、と感じた部分もあります。ダンサーたちに私の脳みその中はわからないわけだし、説明するのが難しいときもあるけれど、私が思い描いていたものと皆が踊るニュアンスが全然違っていたりするところが逆に良かったりもして、面白いなって思いました。

──先日の試演会の後には指導者からのアドバイスもあったようですね。

加藤 たとえば、なぜダンサーを5人にしたのか、彼らはグループなのかそれとも個人個人なのか、と尋ねられて──そういえばどうだろうかと、また作品について考える時間を持つことができました。
今回は、二人の組みものを考えるのは難しいかなと思ったし、男女の関係性を描くつもりもなかったので、男女比が半々にならないように5人、という考えがあったんですね。今回は明確なストーリーのない作品にしたのですが、これからまた挑戦してみたいです。

──本番が楽しみです!

加藤 クラブ・アッサンブレの皆さんは、私が自分発信で作ったものをご覧になるのはこれがはじめてなので、どう受け止めてくださるか楽しみにしているんです。とはいっても、まだそんなに自信はないんですけれど、とにかく1回上演して、皆さんがどう思ってくださるか知りたいです。ただ、私は自分の作品のあと隼也さんの作品で踊るので、平常心でいられるかどうか(笑)ですが、がんばります!

加藤くるみ(1).jpg



カテゴリー

最近の記事

2026年も踊ることを大切に――上野水香

昨年はほぼ毎月舞台への出演が続いて、大忙しだったゲスト・プリンシパルの上野水香。今年3月には2年ぶりの〈上野水香オン・ス...

【クラブ・アッサンブレ特別企画★くるみ割り人形SPECIAL★】 「くるみ割り人形」&ベジャールの「くるみ割り人形」サイン入り公演プログラムプレゼント!

このたび、東京バレエ団友の会クラブ・アッサンブレ会員の皆さまの中から抽選で20名様に、昨年に引き続き「くるみ割り人形」に...

『ザ・カブキ』顔世御前を演じます──上野水香

『ザ・カブキ』公演直前の今回は、ゲスト・プリンシパルの上野水香の登場です! これまで何度も演じてきた顔世御前という女性を...

『眠れる森の美女』で東京バレエ団初舞台!──二山治雄

『眠れる森の美女』開幕直前の今回のブログは、この公演で東京バレエ団デビューを果たす二山治雄の登場です。2014年のローザ...

〈Choreographic Project 2025〉で作品を発表します──山下寿理

ブログ初登場の山下寿理は、昨年春にアーティストに昇進したばかり。今月末に東京バレエ団のスタジオで上演される〈Choreo...

本年もどうぞよろしくお願いいたします!──金子仁美

明けましておめでとうございます。2025年のブログ第1弾は、金子仁美からの新年のご挨拶です。2024年春にファーストソリ...

イタリア公演で『春の祭典』生贄デビュー!──榊優美枝

今回は、先の第36次海外公演―イタリア で『春の祭典』生贄役デビューを果たした榊優美枝の登場です。カリアリ、バーリ、ボロ...

春からアーティストとして活動中!──福田天音

12月に上演する『くるみ割り人形』で初めて第1幕のコール・ド・バレエに取り組む福田天音(ふくだ あまね)は、本ブログ初登...

8月に入団、『春の祭典』で海外ツアー初参加!──孝多佑月

今回は8月にファーストアーティストとして入団した孝多佑月(こうた ゆづき)の登場です。入団してまだ3カ月ですが、早くもイ...

【速報】東京バレエ団2025年ラインナップ決定!

ただいま東京バレエ団は第36次海外公演の真っ最中。今回のツアーで多くのダンサーが初役に挑戦していますが、会員の皆様からア...